「何か話してよ、声が聞きたいな。」
話せるわけない。
もともと、あれから私は『三上翠』でないと、人と、とりわけ男と関われなくなっていた。
例外は雅圭人。
助けるために必死だったと結論付けたけど。
「おい、この子、ヤバくない?」
翠の変化に気づいた茶色2が焦ったように言い出した。
今の翠は、不自然なほどカタカタと震えが止まらなく、目も虚ろだった。
「なにいってんだよ?…いこっか、お姉さん。」
掴まれた部分から広がる悪寒は完全に翠を支配していて。
「…や。…て、……と…」
やっと絞り出した声は。
「なに?」
「…ぃや。助けて、助けて、圭人っ」


