そのあとあたしたちは映画を見たりショッピングをしたりと、普段のデートでは行かないようなところに行った。 お互い人ごみが苦手ということもあって、いつもは家で過ごすことが多かったからだ。 だけど今日はそんな苦手な人ごみも全く気にならなかった。 そして、周りが暗くなり始めたとき。 「ちょっと行きたいとこあるから」 と言って翔はあたしの手を引いて、あるところに歩き出した。 「どこ行くの?」 そうあたしが尋ねると、 「内緒」 とだけ言って、いたずらっぽく笑った。