それからというもの、私と貴一さんは幾度となくデートを重ねた。デートと思って意識してるのは私だけかもだけど。

で、そのデートの殆どが、ご飯食べに行くとかそんなもの。

もうデートていうか、いわゆるメシ友?


初めて二人でデートをしたあの日。
私の気持ちなんてとっくにお見通しだった貴一さんは、それからも会う度会う度、私に触れてくるようになった。


じゃれてるみたいに貴一さんは私に小さくキスをする。頬とか、鼻の頭とか、おデコとか。そうされると、すぐにあたしの顔は真っ赤になる


そんな反応を楽しむ様に、またはからかう様に、貴一さんは「奈々ちゃん可愛い」なんてことを言う。

その笑顔にきゅんとなる私は相当な重症者。だって相手は40過ぎのおじさんなのだから。





「……えろおやじ」

「エロおやじは傷つくなぁ」


最初こそ初々しい反応をしていた私も回数が増えるごとに次第に耐性がついて、貴一さんに触れられても嫌味で返すことができるようになっていた。

それはそれで可愛くない気がするけど。