私の家から徒歩10分程のキレイなお花が植えてある公園。

その公園からみて、右に向かって徒歩1分程の小さな畑
その横の裏路地へ続く道でない道をまっすぐ渡り、
信号を1つこえた小さな林だか、森だかの奥にある


しんまりとした日本家屋

特別に大きなわけでもなく小さいわけでもない、
とても日本らしい家がある。

表札には
『一』
の文字。

読み方はわからない。


その家の門をくぐると小洒落た日本庭園があり、
それにそって裏庭へ行くといつもの定位置に彼はいた。


「げーんさん。」

そう声をかけると、猫のような鋭い瞳でちらり、
とこちらを見ると只、一言「またか」と答え、

その“姿”にはに使わない“葉巻”を口へとくわえる。

私の好きな仕草だ。
…けれど同時に私が一番“キラウ”匂いである。

私は縁側に腰掛けて靴を脱ぐと、
和室の方へと逃げる。


「おや、もう上がるのですか。」

その源さんの呼びかけを流して、
自分の定位置へと足を運ぶ。