海<え? >



海は、見かけた。



白髪混じりの茶髪の老婆を。



海<真依さん、だよな?>



脳内検索。


自身の身内で老婆は、




海<真依さんだけだよな?>



海は近づく。



海<真依さん?>




<――――――水沢海!>




海<桐生院の外を出て、用事?>



<水 >



老婆は呟いた。



海<あ?>



<喉が――――――>




海<―――――――――>






海はベンチを座る。


老婆も座る。



海<真依さん>



海は老婆に麦茶を渡した。




<ありがとうございます>



そして、桐生鈴花の祖母にして、



桐生院の理事長の桐生真依は言った。