「……げっ」 あたしは、急いで玄関まで走ったことを後悔した。 右手にはシャーペン。 もこもこしたあったかい部屋着に身を包んでるあたし。 目の前には……。 「よ、このみ。勉強中だった?」 そう言って微笑むあっくん。 学校の先生でありながら、あたしの彼氏だったりする。 それを、イケナイことだとは思わない。 あっくんとは幼なじみで、いくら学校の先生でも、あたしの好きな人には変わりないから。 「勉強中だよ。いくら大学が決まったからって、だらだらするわけにもいかないし」