「そんなこと言ってくれるの、このみだけだよ』



あっくんはそう言うと、あたしの頭を優しく撫でた。


あたしは嬉しくなって、ふにゃっとした笑みをこぼしてあっくんを見た。



「あっくんは頭いいよ! あたしが保証する!」


「ん、ありがとな、このみ」



目を細めて笑う笑顔、優しい声。


……この頃から好きだったんだ、きっと。




「俺は先生になりたいんだ」


「先生?」


「そ、高校で数学を教えんの」



数学?


それって、算数と同じようなものだよね?


しかも、教える立場、先生。



『あっくんすごいっ!!』