俺に溺れてみる?






――コンコン。


ドアを静かにノックする。



数学準備室なんて……初めてきたなあ。



「どうぞー」


「……は、はいっ」



あっくんの声しか返ってこないけど、他の先生はいないのかな……?


なんて思いながら、数学準備室へ足を踏み入れる。



「プリントはそこ、置いといて」



ドア近くにある古びた机を指差されて、十数枚のプリントをそこに置いた。


あたしのだけじゃなくて、他の子達の分も集めてきた。



「……久しぶりだな、このみ」