俺に溺れてみる?






美奈がすごく心配してくる。


心配っていうより……ただ行きたいだけなのかな、たぶん。



「か、帰るけどっ! 途中ま……」


「美奈ー!」



そこで登場したのは、美奈の彼氏さん。


隣のクラスのHRが少し長引いてしまったみたい。




「待った?」


「待ってないよ! 帰ろっか!」



美奈のこの変わりよう。


あたしといたのは、時間をつぶすためとしか思えないな。



「じゃあ、また明日ね!」


「はいはい、また明日」



……ま、いっか。


彼氏さんと楽しそうに帰る美奈の背中に、そうつぶやいた。