「はい、静かにー! そろそろ授業始めるぞ」 あっくんが騒がしくさせた張本人なのに、何食わぬ顔をして教科書を開く。 みんな納得のいかない顔をしていたけど、さすが受験生。 すぐに切り替えて、数学の授業が始まった。 ――キーンコーンカーン……。 チャイムが鳴ったと同時に、あっくんは教卓にチョークをカタンッと置いた。 「じゃあ、今日はここまで。 そのプリントは今日中に提出な」 えっ……!? あたしはプリントとあっくんの顔を交互に見る。 ま、まだ終わってないよー!