俺に溺れてみる?






「彼女がいたら、あんなちびっ子忘れてんだろーな」



あっくんの小さな一言で、教室は水を打ったように静かになった。



ち、ちびっ子……?



「それ、先生の幼なじみー!?」


「なにそれー! めっちゃ気になるんだけど!」



静寂はほんの一瞬だけで、教室はまたすぐに騒がしくなった。



う、ウソ……。


変に期待をしてしまう。



彼女はいないってこと?


……あたしのこと、忘れてないってこと……?