「小野寺!」


「はい…?」


呼ばれてゆっくり顔を上げると………


チュッ


短い音が耳に入った。


えっ!?


翔君の顔が目の前にある?


そして、私と翔君の唇がくっついてる!?


ズサササッ


勢い良く後ろに下がった。


「なっ、なっ…!」


驚きで、口を金魚みたいにパクパクする。


「俺の幸せあげたから、もう大丈夫だぞ!」


私とはうって変わって平気な顔をしてそんなこと言う。


「か、翔君!?」


「ん?」


“ん?”じゃないよ!!


私の初kissなんだよ!?


初kissを奪ったのに、平然でいるとか有り得ないよぉ!!


__パチンッ


「もぅ、最低!!」


平手打ちを翔君にして、屋上を出た。