翼~開け放たれたドア~

2人の近くへ行くと、飛鳥と蓮は肩で息をしていた。

「…はぁ、よけきれねぇ…っ」

「ち、くしょ…っ」

俺が近くにいるのに気づいた2人が、ほっとしたのか、地面に倒れ込んだ。

「わりぃ、あと頼んだわ…」

飛鳥の言葉に

「あぁ」

と返事してから、俺は春輝のほうへと向き直った。

揺れる前髪で見え隠れする大きな瞳は、さっきと同じように、いや、それ以上に闇に染まっているように見えた。

「…………」

春輝は黙ったまま、目の前にいる俺を見ていたが、突如、空を切る音がして、気づけば春輝の拳が顔の前にあった。

「…チッ」

それをギリギリで避けたが、息つく間もないまま、春輝は俺を蹴り上げようとしてくる。

──ガッ!

春輝の足を腕で受け止める。

「……重い蹴りだな…っ」

飛鳥が言っていた通りだ。

やべぇな。こいつ、強すぎる…っ!