「はーるーきー!!!」

「ら、雷…」

退院して初めての登校。

学校に入って玄関で靴を履き、HR(ホームルーム)が終わってすぐに呼び出された王覇の幹部たちと私と龍也。

ドアを開けてすぐにパッと目を輝かせた雷が、私めがけて飛んできた。

雷は卒業式に向けて会議とかで忙しく、家にはほとんどいなかったから、なんだか久しぶりな感じがする。

だから普通に避けないであげようと私はその場に立っていて、雷を受け止める。

「あー!もう疲れた…」

「……おつかれ」

グターっと私を抱きしめる雷の、茶色がかった黒髪をゆるゆると撫でる。

「うー…」と呻いた雷は、なんで呼び出したんだ?と聞いた龍也に「だって春輝不足だったから!」と自信ありげに叫んで「俺らはいらねぇだろうが!」と、思いっきり叩かれていた。

うん、龍也に同意だね。

ていうか私不足ってなに…?

雷の体温を感じながら、私は呆れたため息をついた。

と、そのとき。ベリッと私と雷を引き離したのは──