翼~開け放たれたドア~

でも、春輝の言ってることが信じられなくて。

「……本当に、嬉しかったのか?」

そう、確かめるように聞いてしまう俺。

「……ん」

グシグシと涙がこぼれる目元を擦りながら、春輝はまたコクッと頷いた。

「おい、目ぇ腫れるからやめとけ」

俺はそれを止めようとしたけど──

「や、だ。見ないで…っ」

伸ばした手にいやいやと首を振られた。

「お、おい…?」

「見ちゃやだぁ…っ」

拒む春輝は、必死に顔を隠そうとする。

いや…けっこう顔も小さいけど…お前手も小さいから若干隠れてねぇんだけど…。

手の隙間から見える春輝の顔は赤かった。

俺はそれに吸い寄せられるように手を伸ばす。

「や、やだっ…」

「大丈夫だ。だから見せろ」

問答無用で春輝の手首を掴む。

「……っ」

さすがは春輝、というべきかなんというか…。

女にしては力が強くて、並みの力じゃ引き離せない。どっからこんなパワーでてくるんだ…。

だけど俺は男だし、そこらへんの奴よりも力はずっとあるわけで。

少し力を加えれば、徐々に手が春輝の顔から離れていく。