翼~開け放たれたドア~

わかってねぇだろ。俺がどんなにお前のことを好きなのか。

「……ずっとずっと言いたかったんだよ」

後悔してた。お前が目を覚まさない間ずっと。

なんで言わなかったんだって、どうして伝えられなかったんだって思ってた。

そう思っても遅くて、春輝の手を強く握ったことを今でも俺は覚えてんだよ。

気づけよ……。

「俺、お前のこと守りきれるかって言われたら自信はねぇけど。
でも、どんなに些細なことでも、お前が一言しゃべったら俺は全力で助けに行く」

頼れよ。お前が望むことならなんだってしてやる。

知ってるか?お前が俺の側にいてくれるというのなら、俺は自分さえ捨てれることを。

俺はもう一度春輝を抱き寄せ、そして耳元でそっと囁いた。

「……好きだ」

「う、そ…」

「嘘じゃねぇよ。お前が愛しくて仕方ねぇ…」

華奢なその身体が、小刻みに震え始めた。

「ほんと…?ほんとのほんと…?」

やけに念を押してくる春輝。

その声も震えていて、俺はどうしたんだろうと春輝の顔を覗き込んだ。

「は…っ?」

春輝は泣いていた。

「お、おい、春輝?」

そんなに嫌だったのか?

焦る俺に首を振りつつ、春輝は嗚咽混じりに言葉を紡ぐ。

「う、れし……」

「……嬉しかったのか?」

コクコクと頷く春輝に、俺はほっとして溜めていた息を吐き出した。