「こいつの拳、すんげえ重い…!」

「スピードもやべぇな」

そう口々に言う飛鳥と蓮。

こいつらは仮にも王覇の幹部だ。

この2人がこういうんだから、やっぱりすげえんだな。

「おまえらな、あぶねーっつーの」

雷さんが呆れたような声で言った。

「まぁでもちょうど良い。お前ら王覇で春輝の相手しろ。タイミングみて俺らが春輝を抑えるから」

「…分かりました」




それからしばらくは、飛鳥と蓮が春輝の相手をしていた。

だが、春輝の圧倒的な強さに、2人の顔つきが険しくなってきた。

「…もたねぇか」

ここままじゃ、雷さんたちが言うタイミングまで、飛鳥たちだけだとあぶねぇ。

だって、あいつ息一つ乱れてねぇ。

体力やべぇだろ。普通なら、息切れしてるはずだ。