「春輝…」

雷さんは目を丸くさせたあと、泣きそうな顔で笑って、その頭を撫でた。

それに若干イラッときたが、まぁ今は我慢しとくことにするか。

海さんは怒ることもなく、その光景をみていたが、海さんは、春輝の言葉で全てを決めたらしい。

「じゃあ一緒に住んでろ」

そんな、あっさりとした答えをだした。

「「「は?」」」

そう言ったのは、雷さんを含めた王覇メンバーたち。詳しく言えば秋人と蓮。

あまりにサラッと言い放ったもんだから、皆海さんのことを目を見開いて凝視している。

「いや、だって春輝は雷さんがいいんだろ?」

「……ん」

春輝は、雷さんを離すまいと手に力を込めた。

「俺は別に無理強いをさせるつもりねぇしな。
春輝の好きにすればいい」

もう自由なんだからな、海さんは笑った。

それを見て春輝は言葉を失ったように茫然として……。

俺は春輝の近くへと寄って、その頭を撫でた。

春輝が俺を見上げてきたから俺は、大丈夫だ、とでも言うように微笑んでみせる。

辺りを見回す春輝につられて視線を動かせば、ここにいる全員が笑っていて。

春輝はもう一度俺を見上げたあと、嬉しそうにふわりと笑みを浮かべた。