クスッと笑う春輝。

そんな春輝をみて嬉しそうに笑った海さんは、急に真剣な顔つきになって春輝に話し始めた。

「なぁ、春輝。お前、これからどうするんだ?」

春輝は首を傾げた。

「保護者ってわけじゃねぇし、片親のしか血は繋がっていねえけど俺らは家族だ。
だから、お前のことを引き取るのが道理だ」

「え…」

「つまり、もう雷さんと暮らすこともできなくなるってことだ」

海さんは雷さんに視線を移した。

春輝もそれにつられるように雷さんを見た。が、その瞳は不安でいっぱいだった。

雷さんは春輝のほうも見ずに、黙って俯いていたが、握りしめた拳が小刻みに震えていた。

「…や、だ」

それを見た春輝が首を横に振った。

「お、おい…春輝?」

「確かにお兄ちゃんのこと大事だけど…。
でも私、雷がいい」

困惑気味の雷さんに、行かないでほしいとしがみつく春輝を見て、海さんは優しくため息をもらす。

「雷は、私のお父さんだもん」