翼~開け放たれたドア~

「……春輝」

分かるか?聞こえるか?

お前を呼ぶこいつらの声が。

「言ったじゃねぇか……。お前はそれでいいのかって…」

「え…?空夜、お前それどこで…」

反応したのは、春輝ではなく秋人だった。

「……夢でみたんだよ。こいつを。
そこで俺は春輝に言ったんだ」

「それ、もしかして水が地面になかった?」

飛鳥もなんだか食いついてくる。

「あぁ。なんだか……不思議なとこだったな」

ピチョン…という音が、耳の奥で木霊した気がした。

そして思い浮かぶのは、あいつの涙を流す姿だった。

「俺も、その夢みた…」

「あ?それ…本当か?飛鳥」

驚いた俺は、飛鳥のことを凝視する。

「あ、うん。なんか、空夜に本音ぶつけちゃったんだけど──」

「俺はそんなに役立たずかって言ってたな」

「蓮……」

蓮はどこか遠い目をして、言葉を続ける。

「……俺も見たよ。あいつが泣いてた」

「そうだね…。空夜があぁ言ってくれなかったら、春輝がどこか遠くに行っちゃいそうで怖かったよ」

直はふふっと微笑む。

なんか、まるで俺らが同じ空間にいたかのように、会話が普通にできている。

「俺たち…同じ夢を見てたんだね、きっと」

そっか…、と直は呟いた。

「そっかそっか…。
じゃあ、きっと春輝にも届いてるよね」