「…どうした?」

あまりに見つめられるから気になったんだか…

「……あのさ──」

「うぁー!よく寝たー!!」

秋人の声を遮って、起きたらしい飛鳥が突然の大声と共に立ち上がって伸びをする。

………このパターンって、やべぇんじゃねえか?

左に向けていた顔を、右隣の秋人のほうへと向けようとしたそのとき、俺の視界の右端に秋人が入り込んできた。

「………飛鳥…、お前歯ぁ食いしばれ」

「えっ!?ちょっ、秋人!その拳下ろして!」

「お前は少し空気読め!!」

「痛いっ!」

……まぁこういう展開だよな…。

と、いうことは…だ。

俺はチラリとその方向を見たが、予想通りというな。

どす黒い何かを纏ったあいつがいるわけで…。

「……ねぇ?ここがどこか分かってる?」

「え、あ…その………」

「な、直…?」

こいつらの大声で起きたらしい直。

いつものあの背筋が凍るような笑顔が、もっと恐ろしいことになってる。

………殺気まで感じるんだが…。

「静かに…するよね?」

「「………はい」」