翼~開け放たれたドア~

──ピチョン…

シンとした空間に水音が響いた。

静まり返った世界のなかで、俺の心臓の音が身体中に鳴り響いていく………。そんな、どこか居心地が悪いような感覚。

こいつらが俺を信じてくれるように、俺もこいつらを信じたい。

もしかしたら無くなっていたかもしれないこの命。俺はそれを大切な奴らのために捧げたい。

春輝だけじゃねえんだ。

涙を流すことがあるなら、俺の心のなかの人たちのために泣きたい。

笑うというのなら、今目の前で俺に笑いかけてくれる奴らと一緒に笑いたい。

傷つくときがくるなら、愛しい奴のために俺は傷を背負おう。

こいつらとなら…俺はこの先を歩いていける気がするんだ。

過去から、抜け出せる気がするんだ──。





目をそらさずに、俺は直たちを見続けた。

そして、直たちも俺から目をそらさなかった。

だけど、それは最初のような冷たいものじゃなく優しいもので……。

スッと、胸のなかのわだかまりがほどけていく感じがした。

「……なぁーにが“ついてこい”?空夜、ふざけてんの?」

飛鳥が呆れたように呟いた。

「……んなもん、最初っからついていくに決まってんだろ!
空夜だから総長として認めてるんだし、俺はお前以外についていく人はいない!」