翼~開け放たれたドア~

そうだ。行かなくちゃ。

私、伝えてないことがある。

皆にも………空夜にも。

言いたいことが…、たくさんあるの。

「お母さん…ありがとう」

「どういたしまして」

ふわりと私を抱きしめる力を強くする。

「…お母さん。
私、すごく好きな人がいるの」

「ふふ。春輝も恋したのね。
お母さん、ちょっと寂しいけど嬉しいなぁ…」

「……?“恋”?」

「なぁに?それ」と聞くと、「その人のことを特別愛してるってこと♪」と、楽しそうに答えてくれた。

「……その人のこと考えれば胸がきゅってなったり…」

「あら、私だってそうよ?」

「なのに、もっともっとって欲張っちゃったり………」

「それが普通なの」

「あ、あとは……」

空夜の顔を思い浮かべて、胸が熱くなって……顔が火照る。

「すごく、ね?
好きだなぁ…って……、感じる……」

「……ええ。それが恋ってゆうのよ?」

じゃあ、あのとき私は……

“ずっと……空夜の、こ、とね…”

『好き』って言おうとしてたのかな…?