翼~開け放たれたドア~

「──私は、心(ここ)にいるじゃない」

──さぁ……

一陣の風が、草原を優しく駆け抜けた。

優しく。優しく。

私の髪を撫で揺らし、駆け抜けていった。

お母さんの言葉が、じわじわと胸に染み込んでいく…。

「……次は…、いつ会える?」

ポツリと、呟く。

お母さんは、なんて答えるんだろう。

ふと、そんなことを思って。

ほぼ無意識のうちに、口から言葉がでていた。

「うーん……そうねぇ…。
5年後かもしれないし、10年後かもしれないし………」

「えぇっ!?」

そんなに遠いの!?

思わず驚いて目を丸くした私を見て、お母さんは思い出したようにつけたした。

その言葉を聞いた瞬間、私は思わず「……そっかぁ…」と笑ってしまった。

「…お母さん。
じゃあ、これからはずっと一緒だね?」

「ええ。だから……安心していきなさい。
春輝を待っている人がいるわ」

「私を…?」

「ええ。
それにあなただって…、伝えなきゃいけないことがある人が…いるでしょう?」

「……うん」

お母さんが、空夜のことを言ってることはすぐに分かった。