すると、パラパラと、何かがこぼれるような音がした。
お母さんのワンピースから手を離さずに、身体を少しだけ離して、なんだろうと見渡してみる。
目の前には、さっきと変わらない景色が確かに広がっていたけど。
「な、にこれ…っ?」
目に飛び込んできた光景に目を疑った。
遠い水平線。その彼方で。
空が、崩れていってる。
草が、花が、枯れている。
現実には起こり得ないような出来事。
まるで、絵の具がとれていくように空が崩れ落ちて、まるで、早送りでも見ているかのように草や花が枯れていく。
「……ここはね。
春輝の“心”で形成されているの。
だから、あなたの心が不安定になれば、当然ここの世界も壊れていく」
私の…心…。
「だけど、あなたはここで立ち止まってちゃいけないわ。
ここは確かに平和でいいところだけれど、一番欲しいものは手に入らないから。
いつまでも閉じこもってちゃダメ」
お母さんは唇を尖らせて、私の頭を軽く小突いてきた。
「進まなきゃ。
──……私にいつまでも捕らわれてないで」
その言葉を聞いた瞬間。
全部、分かってしまった気がした。
そして私は、ただたんにお母さんに罪悪感を抱いていただけだったということに、気づいてしまった。
ごめんなさい、ごめんなさい、と。
謝っていたのは、篠原組で怒られているのが怖かったからじゃない。
お母さんが、私のせいで死んだことに、罪悪感を抱いていたから。
私がお母さんを殺したという赦されない罪。
どうしても自分が赦せなかった。
お母さんのワンピースから手を離さずに、身体を少しだけ離して、なんだろうと見渡してみる。
目の前には、さっきと変わらない景色が確かに広がっていたけど。
「な、にこれ…っ?」
目に飛び込んできた光景に目を疑った。
遠い水平線。その彼方で。
空が、崩れていってる。
草が、花が、枯れている。
現実には起こり得ないような出来事。
まるで、絵の具がとれていくように空が崩れ落ちて、まるで、早送りでも見ているかのように草や花が枯れていく。
「……ここはね。
春輝の“心”で形成されているの。
だから、あなたの心が不安定になれば、当然ここの世界も壊れていく」
私の…心…。
「だけど、あなたはここで立ち止まってちゃいけないわ。
ここは確かに平和でいいところだけれど、一番欲しいものは手に入らないから。
いつまでも閉じこもってちゃダメ」
お母さんは唇を尖らせて、私の頭を軽く小突いてきた。
「進まなきゃ。
──……私にいつまでも捕らわれてないで」
その言葉を聞いた瞬間。
全部、分かってしまった気がした。
そして私は、ただたんにお母さんに罪悪感を抱いていただけだったということに、気づいてしまった。
ごめんなさい、ごめんなさい、と。
謝っていたのは、篠原組で怒られているのが怖かったからじゃない。
お母さんが、私のせいで死んだことに、罪悪感を抱いていたから。
私がお母さんを殺したという赦されない罪。
どうしても自分が赦せなかった。


