翼~開け放たれたドア~

痛いほどにきつく。

存在を確かめるように、空夜は私を抱きしめて……

「──お前が一番嫌ってるのは、“お前自身”だよ」

そう、囁いた。




どうして、気づいてしまうの。

そんなこと、私が一番分かってる。

気づいてたもん。私だって。

…だって皆、そう言った。

お母さんが好きだと言ってくれた“私”を、皆が否定するから。

だから、人は嫌い。

だけど、そんな、必要とされない私はもっと嫌い。

必要とされるwingとしての“私”が羨ましいのに、ただの“私”として見てほしいと思う自分がいて。

“───…『篠原の跡取り』として生きろ”

でも、生まれからは抜け出せないと悟った、いつかのあの日。

私は自ら、“感情”と“自分”と“思い出”を無くして、

──籠のなかに閉じ込めて、鎖と十字架で縛りつけた。





背中の模様を考えたのは、他でもない私自身。