だから…

“春輝”

そんなに優しい声で私を呼ばないで。

頭のなかに、大好きな声が響く。

ごめんね。ごめんね。

全部、私のせいだから。私が蒔いた種だから。

でもこれ以上、こんな奴に大切なものたちを傷つけられたくないんだ。

だったら、私が傷つけてでも終わらせるしかない。

あーぁ…。

さっき、傷つくのは自分1人で充分だと思ってたんだけどなぁ…。

まぁ、私が受け止めれるぶんは全部受け止めるけど。

だから…私を嫌えばいい。

私なら大丈夫だから。





ふわり、と。

あの暖かな手が、私の頭を優しく撫でてくれた気がした。