秋人だって…。

「人なんて嫌いだ。
……女なんて、もっと大嫌いだよ。
よく飛鳥は自ら抱けるよな。
確かに話は聞いたけどよ」

「しょーがないでしょ?俺、怖いんだよ。
あの快楽から抜け出せないわけじゃないけど、やめちゃったら……」

飛鳥は身体を震わせた。

「あの時みたいに“役立たず”って言われそうで……」

俯かせていた顔をあげると、いかにも無理やりといった感じで微笑む飛鳥は、過去を捨てることができずに苦しんでんだ。

俺はもう、開き直って捨てたが。

…いや、俺だって捨て切れてねぇのか。

だけど、今の親父たちに出会ったから救われてる。

飛鳥たちは救ってくれる人が現れてねぇから、自分を責めて、拒絶して。

そうでもしねぇと、闇に呑み込まれてしまいそうで──

「……うや……空夜?」

「…あ?」

「どうしたの?ボーッとするなんてらしくないね」

「……なんでもねぇよ」

直の心配そうな表情が直視できない。

見えた顔からスッと視線をそらす。

飛鳥はもう普通の笑顔で、なんとなくそれが羨ましく感じちまった。