……あれ?

ふと、聞き慣れた笑い声の一つが消え、不思議に思ってそちらに目線を移す。

空夜が、私を真剣な表情で見ていた。

「…春輝」

来い来い、と手招きをされて、私はそちらへと歩く。

隣に座っていた雷が、私をみている気配がした。

手を伸ばせば空夜に届く。

そんな距離まで来たとき。

「ひゃ…っ!?」

おもむろに空夜は立ち上がり、私のことを抱き上げた。

久しぶりの目線の高さに驚く。

少し上を見上げれば、私に微笑む空夜の顔が間近にあった。

その笑顔はすごくかっこよくて──

「……ありがとな、話してくれて」

──ドクンッ

心臓がギュウッとなって、耳の奥に、心臓の音が大きく響いていく。

な、なんだろ…これ。

急に恥ずかしくなって、空夜の服の裾を握りしめ、火照った顔を押しつける。

それをどう受け取ったのか分からないけど、空夜は身体を一瞬だけピクッとさせてから、私が前に好きだといったことをしてくれる。

ふわふわと、頭を温かな体温が往復する。