「でもさぁ、クウヤなんて奴、俺は知らねえし…」

「それは僕もだけどー…」

んー…。どーすっかなー…?

2人して、頭をうんうんと唸らせて考えていると。

──ガチャ…

「あ、信ー!おはよー!」

「…あぁ」

パソコン片手に、信が部屋に入ってきた。

信の視線はwingに。

「あいつ…」

信も気づいたらしい。

wingの頬には涙のあと。

俺はそっと、水で湿らせたタオルでそっとそれを拭ってやる。

そうしながら信に、優太にしたのと同じ説明を話した。

終始無表情でいるかと思いきや、“クウヤ”の名がでたとたんに、渋面になった。

話をし終わった頃には、何かを考えるように顔を俯かせ気味にしていた。

「…なぁ」

「あ?なんだよ、信」

「お前ら、本当に分かんないのか?」

信じれないといった表情の面を俺らに向ける信に、優太と同じタイミングで首を傾げる。