「…ホントに?」

まだ訝しげな優太に全力で首を縦に振る。

ジトーっと俺を見ていた優太は

「そっかぁー!」

次の瞬間には笑顔でそう言いやがった。

…あぁもう。

ホントにこいつ怖い……。

俺のなかで、優太が恐怖の対象として深く刻み込まれた瞬間だった。





……。

ふと思い出して、振り返る。

泣き疲れたのか、wingは涙を流したまんま寝ちまってた。

「wing…」

優太は悲しげに眉を下げ、近づいていく。

そっと頭を撫でて、優しげに微笑む。

「ね、wingは“クウヤ”って人を呼んでたんだよね?
その人、探してあげよーよ」

背中越しに、優太は話す。

「僕たちにできることってあんまりないけどさ。
これくらいならこの子にしてあげられるんじゃない?」

……そうか。

俺たちだからこそ、できるんだ。