「……く…、や…」

「ん?」

なんか言ったのか?

声をだした原因…wingに近寄ってみる。

よくよく見れば、wingの目がうっすらと開いている。

「起きたのか?」

そう問いかけてみたが、wingの目はトロンとしていて、なんだかぼんやりとしている。

俺のほうを見ることもせず、天井をみつめたまんま。

額にそっと手を当ててみると、昨日よりも心なしか熱く感じる。

…まぁ、薬飲ませてねえしな。

でもなぁ、このまんまの状態でなんか食わせるわけにはいかねぇしなぁ…。

うーん……。

腕を組んで唸りつつ、そんなことを考え込んでいると

「く……や…」

また声が聞こえてきて、再度wingのほうを見る。

さっきまで天井に向けられていた瞳が、薄い膜をはりながら俺に向けられていて、心臓が音をたてた。

「wing…?」

「くぅや……」

か細く、かすれた声で呟くwing。

“クウヤ”…?

さっきから言ってたのは、誰かの名前だったのか。