こんなんだけど、意外と人の好き嫌いが激しい優太があんなに懐くんだ。

それに…

“俺が、助けてやるから”

あんときのあいつはすげぇかっこよかったから。

良い奴なのも、あいつが強いことも知ってるから。

だからこそ、余計に…。

「wingのためにお菓子用意してるのにーっ」

「…それはお前が食べたいだけだろ、優太」

「えーっ?ちがうもーん!確かに食べるけどさぁ」

「お前らなぁ…」

俺が、呆れたため息をこぼしたときだった。





──ドンドンドンッ!

いつもなら乾いた音なはずのノックが、殴りつけるような大きな音。

俺らは顔を見合わせる。

「…信」

「了解」

俺が目配せすれば、ドアに一番近い信が確認に向かう。

下っ端に何かあったのか?