でも、視界が段々とかすんでいく。

声が徐々に遠く、遠く──

ユラリ、と。

身体が地面に倒れていく感覚。

そして、目の前には堅いアスファルトが見えた。

…あぁ、ぶつかったら痛いだろうなぁ。

そんなことをぼんやりと考えたとき。

「え、ちょっ、wingさ──」

聞き覚えのある声と。

誰かの温かい手が、私の身体を支えるような感覚があって。

それを最後に、私の意識は闇に放り出されていた。