翼~開け放たれたドア~

降り立った芝生の上を走る。

すぐに石の塀が見えたから振り返ると、大きな屋敷が目の前にあって。

見覚えのあるそれに、やっぱりここは赤城組だったと確信した。

前を向いてまた走り出す。

もう、振り返ることもせず。

塀に着いたけど、思いのほか高かったそれに、どうしようかと見回してみる。

すると、近くにポツポツと立つ、大きな木が目に入った。

さすがに、門から出て行けば気づかれるだろうし、それしかないか。

私は手っ取り早く出るために、その木へと登り出す。

固い木の皮が、足の裏にあたって痛い。

……そういえば、私の靴どこにやったんだろう。

もってくればよかった。…いや、そこらへんにはなさそうだったから無理か。