翼~開け放たれたドア~

男の足元に、キラリと電灯の光を反射させて光る透明な糸。

その横には倒れた棚とベッドがある。

それぞれに糸をくくりつけピンと張らせれば、立派なトラップになる。

それに、男の一人は引っかかったわけで。それもすごく綺麗に。

顔からいったらしく、両手で顔をおさえて声にならない声で痛みを叫んでいる。

それが、学校に初めて行ったときの雷になんとなく似ていて、心の中で笑ってしまった。

「てめぇ…!」

うわ、恐いね。目が血走ってるよ。

倒れた男とは別の男が私を睨みつけてくる。

…てゆーかクスリくさ。

こいつもやってんのか。

思わずもれたため息に、男はこめかみをピクピクとさせている。

……あ、それよりも行かなきゃ。

一人で思い出していそいそと窓へと向かう。

男が後ろから怒鳴って追いかけてくる気配がしたけど

「うわっ…!なんだこれ!てか痛ぇっ!!」

あのトラップが一つだけだと思ってたらしい男は、もう一つの糸のトラップに簡単に引っかかってくれた。