「お前らが理事長室来たとき、俺、電話してただろ?」

相澤空夜と品川直を見る。

2人は顔を見合わせたあと、静かに頷いた。

「あれは…赤城からだ」

春輝を攫ったあいつ、赤城 啓悟ケイゴ。

赤城組の表向きの時期組長だ。

「あいつからの電話で、春輝が学校を飛び出したことを知ったんだがな。
思いのほか春輝の動きが早かったせいで、見失っちまったみたいだった。
赤城組はまだ本格的に動かないと思ってたから予想外だったけどよ。
春輝は今、確実に赤城組にいる」

“クックックッ……、あの子、雨に打たれて弱ってますよ…?”

あぁ…くそっ!

思い出しただけでもゾワッとする!

ふざけんじゃねぇ!!

「──だあぁっ!やっぱ性(しょう)にあわねぇ!」

「「「うわあぁぁぁあ!!」」」

突然の俺の大声に、本田飛鳥、久保秋人、松本蓮の3人が飛び上がった。