翼~開け放たれたドア~

んで、俺もとりあえずでようと踵を返そうとしたときだった。

兄貴が入れられていた牢屋のさらに奥。

そこにも一つ、牢屋があるのが目に入ってさ。

なんとなく気になって近づいてみたんだよ。

そしたらさ…。

“……ドア…?”

大きな頑丈そうなドアがあった。

異様な雰囲気が漂うそこは、いつか聞いたwingがいるという場所だった。




ここにwingがいる。

俺は、自分が監視しているのに、近くで見たことがないwingに興味があった。

それは確かだ。

だけど。

その反面、怖いという感情もあった。

なんせあの噂だしな。

それに、赤城組とのこともある。

連れて行く気はさらさらない。

それでも、wingと赤城組には繋がりがあるわけで。

どうしようかと迷ったあげく俺は、どうせ最後だし見てみたい、という気持ちが勝って、中を覗いてみることにした。

今思えば、兄貴が牢屋にいなければ。

あいつとは、あのまんま会わずに終わっていたんだと思う。

大きくなっていく心臓の音がやけに耳に響くような感覚のなか、俺はそっとドアを開けた。