「……なんだこいつ。きもちわりぃ」

銀髪が、私の近くにきて、呟いた。

あ、ヤバいかも。

…龍也が。

「あ゙!?蓮、てめぇなんて言いやがった!!?」

ほらね。

龍也もそんなキレなくても。

ほら、銀髪の顔みてみなよ。

びっくりしてんじゃん。

「龍也」

とりあえず、このままだとめんどくさくなるから、私は龍也を止めた。

「…春輝さん」

悲しそうな表情の龍也。

「いい。こんな奴ら相手にするだけ無駄だ」

「んだと!!?」

銀髪が、大声をあげたけど、まぁ無視して続けた。

「人なんて結局一緒。龍也も、俺のためにいちいちキレなくてもいい。
……こんな奴らの言葉も、態度も、全部慣れてる。もう、今更だ」

一応男装中だから、“俺”と言った。
喧嘩するとき、男口調になるし、それに一人称も“俺”にしてるから、大丈夫だったな。