「……はあぁぁぁああ!!?」

「え、知らなかったのか?」

本田飛鳥以外叫んでねえし。

お前だけじゃねぇか?知らねえの。

「神崎組って、あの正統派ですんげぇ有名な!?
理事長って次期組長なの!!?」

「お前、知らなかったのか?」

松本蓮が本田飛鳥をバカにするようにハッと笑いをこぼす。

「だって聞いてないし!」

「いや、入学式の時に言ってたからね?」

品川直の苦笑めいた一言に、「うそだー!」と頭を抱える本田飛鳥。

こいつ…入学式寝てたな?

……まぁいいか。

「話続けるぞ?」

戸惑いつつも頷いた本田飛鳥と、他の奴らも頷いたのを確認してから、俺は話を続けた。




「だけど、あの人はこう続けたんだ」

“王覇がどうなってもいいのか?”って。

俺はキレて殴りかかりそうになったけど、あの人は薄気味悪く笑うだけで、俺はそれがすんげぇ怖く感じてさ。

結局殴ることなんてできなかった。

その日は帰ったけど、そのまんまじゃ王覇が潰されちまう。

そう考えた俺は、親父とお袋に相談したんだ。