んで、俺もその1人だった。

俺の場合は、あの人がバックについている族を潰したときに、目をつけられたんだな。

引退したあとに家に来たんだよ。あの人が。

そんで、言われたんだよ。

“やってほしいことがある”ってな。

俺の親は驚いてたな。

いきなり篠原組の組長が来たんだから。

俺はめんどいことになりそうだったから、とりあえず篠原組に行くことにしたんだ。

通された部屋で単刀直入に言われたよ。

“篠原組に入れ”

俺は強く断ったさ。

なんたって…俺の家もそうなんだから。

「えっ、ちょっと待って」

「ん?」

本田飛鳥に遮られる。

「理事長の家“も”ってことは…、理事長の家ってまさか…」

「あ?神崎組だけど?」

それがどうしたってんだ?

俺は首を傾げた。