目の前の奴らに叫ぶ。

「誰も…誰もっ!!
“私”を必要となんてしてくれない!!!」

ずっとずっと言われ続けてきた。

“恥曝し”

“なんでお前が”

“生まれてこなきゃよかったのに”

そんな言葉に押しつぶされて、苦しくて、つらくて、悲しくて、ひもじくて、情けなくて。

でも心の痛みは全然消えてくれなくて。

いつしか、あそこでは“wing”としてでしか必要とされないと気づいて、そして悟った。

“感情なんて殺してしまえば、いっそのこと何も感じなくなる”と。

「誰にも必要とされないなら…」

唯一、存在を認めてくれてたお母さんはここにはいない。

「“私”なんていらねぇっ!!!」

目の前の男2人に殴りかかる。

「春輝、止めろ!」

「春輝さん!」

違う!

「その名前で呼ぶんじゃねえ!!」