翼~開け放たれたドア~

──バンッ!

「雷さん!!」

扉が大きな音を立てたことも気にせずに、俺は雷さんへと歩み寄る。

だけど、雷さんは電話をしているようで、険しい顔をしていた。

「おいっ!待てよ!!」

雷さんは怒鳴ったが、そのあと力なくケータイを持った手を下ろす。

「……ッ、クソっ!」

頭をガシガシかきつつ、俺の方へと振り返った雷さん。

「……雷さん、春輝が…っ」

俺は申し訳ない気持ちで事情を説明した。

「……そういうことか…!」

雷さんは低く呟き、俺の目を見据えた。

「相澤空夜。謝るくらいならあいつを助けろ」

雷さんは拳を握りしめたまま、俺の目の前にグッとそれを持ってくる。

そのまんま肘を少しだけ曲げてから、俺の胸をトンと小突いた。

「そしたら、許してやる」