「空夜の親ってどんな人?」

なんとなく聞いてみる。

「……あー…、一言で言えばうるさいな」

「ふーん…」

「まぁ、本当の親じゃねぇけど」

「…そっか」

調べてるから知ってるよ。

そして、もう1つ。

「優しい?」

「…あぁ、すげぇ優しいよ」

空夜が、今の親を本当に大切に思ってることも知ってるよ。

「驚かねえんだな」

「…ん」

「……聞いてくれるか?」

「空夜が言いたいなら」

「…そうか」

空夜はふっと笑ってから、私を抱き寄せた。

私は拒むこともせずにされるがままになる。

空夜は私を抱きしめる力を強めて、少しずつ話し始めた。

「俺は本当の親に捨てられた」

「…うん」

私は空をジッと見ながら話を聞く。