このとき、春輝の心は気づいていた。

直たち親子に、心が締めつけられ、苦しくなったことに。

だけど、気持ちに気づかないふりをした。

知らないふりをした。

でないと、春輝自身の心が壊れてしまいそうで。





だけど、もう遅かった。

壊れ始めていた。

たった一言の言葉で、それはもう、崩れてしまうところまできてしまっていた。

タイムリミットは迫っている。

もう、すぐそこまで。

深い闇に紛れた鳥は、何を考えているのだろうか。

~傍観者 side end~