~傍観者 side~

「…して、話とは?」

そう問いかけるのは、気難しそうな顔をした、品川コーポレーション社長。

彼の目の前には、wingの恰好をした春輝。

そして、スーツを着た雷と龍也の姿があった。

「あなたの息子の件で伺ったんです」

そう切り出したのは雷。

いつものちゃらけた感じは一切なく、真剣な顔つきをしていた。

「息子の?直のことですか。
息子が何か問題でも?」

「いえ、そうではないんです」

雷は首を振って、wing…春輝に目を向けた。

春輝はただジッと、直の父親を見つめていた。

「実は、wingがお世話になっておりまして」

「wingが、ですか?
いえしかし、息子からそんな話は聞いたことがない…」

考え込むように顎に手を当てる。

「そこは気にしないでください。
本題は別にありますから」

龍也はやんわりと話を戻す。

メガネの縁を指でクイと持ち上げ、口を開いた。