「ん…」

顔に当たる日差しが眩しくて目が覚めた。

「あれ…?」

まだぼんやりとする目をこすり、時計を見ればもう9時過ぎ。

遅刻だなんてことはもうはっきりとわかっているわけで。

…ま、いっか。

開き直ってゆっくりと制服に着替える。




昨日は少し慌てすぎたな。

もうあの人はいないけど、罪滅ぼししてるだけだ。

あの部屋と同じように、閉じ込められるとも限らないし。

大丈夫だ。

着替え終わって、テーブルをふと見る。

[つらくなったら、いつでも来いよ。
PS.おにぎり作ったから食っとけ。
どうせ何も食べないんだからそれぐらい食えよー?]

そう書かれた紙と、おにぎりが2つ乗ったお皿が目に入る。

「……ばーか」

ほんと、バカなんだから。

「……ありがと、雷」

ちょっとだけ頬が緩んだ。