「ごめんな…春輝…」

あの頃、俺はお前を──

「でも、今はちげえから…。ぜってえ、守ってやるから…!」

許してくれなんて言わないけど、せめて側にいたい。





初めてお前を間近で見たあの日。

あのときほど、自分のやってたことを後悔した日なんてない。

あの日やっと解放されて、ふと地下のあの部屋にいると聞いた少女が思い浮かんだ。

命令上、関わってはいたけど、あまり近くで見たことなくて、どうしているんだろうとなんでか気になった。

そして、春輝を初めて近くで見て、助けたくなった。

“行くぞ!!”

気づいたら手を差し伸べていたんだ。




「春輝…」

お前は、俺のことを知ったらどうするだろう?

拒絶するかな。やっぱ。

それとも、俺を憎むか?

…でも、それでもいい。

せめて今だけでも、お前の側に……。

俺は布団に入り込んで春輝を抱きしめた。

すると、春輝はもぞもぞと動いて、より近づいてきた。

それにふっと笑って、そのまま俺は目を閉じた。

~雷 side end~