翼~開け放たれたドア~

「あいつが何の夢を見てるのかはしらねぇけど、
でも、あいつが苦しんでることだけは事実だ。
過去にとらわれるな、とかってよく言うけど、人なんて過去があるから今があるんだからな。
とらわれるなっていうのが無理な話なんだよ。
ただ…春輝の場合、過去の闇が大きすぎる」

あいつからそれを聞いたのは3ヶ月だった頃だったな。

それ聞いて、俺は泣いちまったし。

思わず春輝を抱きしめた。

そのとき感じた春輝の体温は冷たくて、こんなに凍えていたのかと悲しくなった。

あんな小さな身体に何もかもを背負って…。

「だから俺と龍也は、春輝を守りたい」

少しでも、あいつが笑えるように。

「ほっとけねえんだよ」

俺らが側にいてやるよ。

「…あいつは俺の家族も同然だ」

たとえ、

「だから、なんかあったら頼む」

俺のことを拒絶する日がきたとしても。