翼~開け放たれたドア~

ゴクリと、誰かが喉をならした。

「あんたたちはwingの何を知っている?
何を見て、何を聞いて、何を確かめた?
噂が本当かどうかなんて確かにわからない。
真実なんて本人でもわからないときだってあると思う。
でも……噂はあくまで噂だから。
それが絶対に真実に結びつくわけじゃない。
信じろなんて言わないけど、これだけは覚えておいて。
……wingだって苦しんでる。
もしまた噂だけで判断するようだったら…、あんたたちをwingが潰すかもね」

ただ淡々と一方的に話していく私の話を、誰一人話さずに聞いていた。

だけど、最後の言葉にだけは肩を震わせた。

「…んで、お前そんなにwingのこと知ってんだよ?」

秋人の問いかけに私は当たり前かと思った。

ここまで言えば、怪しまれるにきまってる。

だけど私は、特に動揺したりはしなかった。

「私にとってwingは唯一無二の存在。
wingがいるから今の私がいるし、ここにこうしていられる。wingと私は…一心同体だから」

wingでいられるから、あの頃は苦しくても耐えられた。

もし、あの部屋から本当に一歩もでられなかったら、私は“苦しい”や“つらい”の感情すら、なくしていたかもしれない。